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invisible_dotsとは?セルフホスト型AIエージェントの使い方・導入条件・注意点

invisible_dotsとは?セルフホスト型AIエージェントの使い方・導入条件・注意点

オープンソースラボ編集部 ・ 2026年10月7日

invisible_dotsとは

invisible_dotsは、OpenAIの「Dots」やMeta「Muse」などのクラウドベースAIエージェントの代替として機能するセルフホスト型ツールです。ユーザーのPC上に専用の仮想マシン(VM)環境を構築し、その中でAIエージェント(「Dot」と呼称)が独立して作業を実行します。

最大の特徴は、AIエージェントが専用のコンピュータ環境を持ち、クラウドサービスに依存せず、ユーザーが設定した権限に基づいて動作する点です。 ブラウザの履歴、ファイル、ログイン情報などはタスク終了後も永続し、次のタスクに引き継がれます。

  • ライセンス: MIT(商用利用可能)
  • 開発言語: TypeScript
  • GitHubスター数: 累計31,798(2026年10月7日時点)
  • ステータス: アルファ版
  • 対応OS: Linux、Windows
  • 公開リポジトリ: https://github.com/feder-cr/invisible_dots↗

invisible_dotsの主な特徴

1. 独立したVM環境で動作する

各Dotは専用のQEMU仮想マシンを持ち、ユーザーのPC上で動作します。ネットワークに接続されたクラウド環境ではなく、ローカル環境で完全に隔離された状態で実行されるため、データが第三者のサーバーに保存されることはありません。

2. ブラウザ操作とファイル操作の永続性

invisible_dotsの核となるのが、パッチ済みのFirefoxブラウザです。invisible_playwright_mcp↗という専用のコンポーネントが、ブラウザを自動制御します。

  • 複数のブラウザプロフィール(「identity」)を独立して管理
  • 各プロフィールは独自のCookieとログイン情報を保持
  • ディスク上のファイルやメモリ内の情報は、タスク完了後も保持される

3. 権限ベースのアクション制御

各操作は「Allow(許可)」「Ask(確認)」「Deny(拒否)」の権限で管理されます。危険性のある操作(ファイル削除、ネットワークアクセスなど)は、ユーザーの承認待ち(Inbox)に入り、ユーザーが明示的に許可するまで実行されません。

4. 複数の通信方法に対応

  • ブラウザUI(http://127.0.0.2:3000)↗
  • コマンドライン
  • HTTP API(ライブイベント対応)
  • Telegram
  • WhatsApp(オプト イン)

5. タスクと自動化スケジューリング

優先度付きのタスクキューと、Dotの定期ジョブ機能を備えています。自動化実行の際も、VM環境は必要なタイミングで起動・休止を繰り返します。

導入に必要な環境・条件

invisible_dotsを実行するには、以下の条件を満たすPCが必要です。

システム要件

  • Node.js: 24以上
  • Go: 1.25以上
  • Git: インストール済み
  • ハードウェア仮想化: x86-64プロセッサで対応(KVM on Linux、Hyper-V on Windows)
  • OpenRouter API キー: LLM推論用(別途登録・API経由で提供)

インストール手順

Windows(PowerShell)

winget install -e --id OpenJS.NodeJS.LTS; winget install -e --id GoLang.Go; winget install -e --id Git.Git
git clone https://github.com/feder-cr/invisible_dots; cd invisible_dots
npm ci; npm run build --workspace @invisible-dots/cli
node apps/cli/dist/invisible-dots.mjs setup --all
node apps/cli/dist/invisible-dots.mjs server

Linux(Ubuntu 24.04)

curl -fsSL https://deb.nodesource.com/setup_24.x | sudo -E bash - && sudo apt-get install -y nodejs git && sudo snap install go --classic
git clone https://github.com/feder-cr/invisible_dots && cd invisible_dots
npm ci && npm run build --workspace @invisible-dots/cli
node apps/cli/dist/invisible-dots.mjs setup --all
node apps/cli/dist/invisible-dots.mjs server

setup --allの役割:

  • QEMUのインストール
  • ハードウェアアクセラレーター(KVMまたはWindows Hypervisor Platform)の有効化
  • Dotのディスクイメージをビルドまたはダウンロード

セットアップ後、ブラウザで http://127.0.0.2:3000↗ にアクセスし、OpenRouterのAPIキーを入力して最初のDotを作成します。詳細は公式ガイド↗を参照してください。

料金・ライセンス

ライセンス

MITライセンスの下で公開されています。商用利用、修正、再配布が可能です。

料金

invisible_dots自体は無料(オープンソース)です。ただし、LLMの推論コストは発生します。

  • OpenRouter API: 利用するLLMモデルに応じた従量課金(OpenRouterの公開料金表に基づく)
  • ローカル実行の利点: LLM呼び出しのみの支払いで、クラウドサンドボックス利用料が不要

活用シーン

1. 定期的なデータ収集・監視

毎朝、特定のWebサイトから運賃情報を取得し、CSVファイルに保存する、といった自動化タスク。ブラウザのログイン情報は永続するため、ログイン操作の繰り返しが不要です。

2. Webスクレイピング・情報抽出

ページのタイトルや本文情報を抽出、メモをDotのホームフォルダに保存。次回以降、前回の情報と比較する、といった継続的な調査に向いています。

3. 複数ブラウザプロフィールの管理

複数のオンラインサービスのアカウント(ショッピングサイト、メールなど)をそれぞれ独立したプロフィールで管理。タスク実行時に自動でログイン状態を保つことができます。

4. 長時間実行・複数ステップのワークフロー

クラウドサンドボックスと異なり、PCが稼働している限り、Dotの作業は中断されません。複雑な処理を分割実行する際に有効です。

デメリット・注意点

1. ローカル実行による負荷

VM環境がPC上で動作するため、CPU、メモリ、ストレージを消費します。 複数のDotを同時に実行する場合、高スペックのマシンが必要になる可能性があります。

2. アルファ版の安定性

プロジェクトはアルファ版と明記されています。本番環境での使用前に、十分なテストと確認が必要です。

3. 技術的な知識が必要

Node.js、Go、Gitのインストール・セットアップを自力で行う必要があります。また、トラブルシューティング↗時の問題解決も、基本的にユーザー主導です。

4. ハードウェア仮想化の必須化

x86-64プロセッサでのハードウェア仮想化対応が必須です。仮想環境(VMware、VirtualBox内など)での実行は対応状況が限定されている可能性があります。詳細はドキュメント↗を確認してください。

5. OpenRouterへの依存

LLMの推論にOpenRouterを使用します。OpenRouterの利用可否・料金体系の変更はユーザーの運用に直接影響します。

よくある質問

クラウドサンドボックス(E2B、cueなど)との違いは?

invisible_dotsはPC上のローカル環境で完全に実行されるため、データがクラウドに保存されず、クラウド利用料が発生しません。一方、クラウドサンドボックスはセキュリティ面での第三者監視と、スケーラビリティが利点です。

複数のDotは同時実行できますか?

はい、複数のDotを作成・管理できます。各Dotは独立したVMを持つため、PC のリソース許容範囲内で並行実行できます。

権限設定を変更できますか?

はい。ガイド↗に基づき、各権限を「Allow」「Ask」「Deny」で調整できます。Ask に設定したアクションはInboxで確認してから実行されます。

セキュリティは十分ですか?

公式ドキュメントのSecurity セクション↗で、既知の制限とセキュリティモデルが説明されています。アルファ版のため、セキュリティ監査結果の公表状況は確認が必要です。

ローカル実行中、PCをスリープさせるとどうなりますか?

Dotは使用されていない時自動的にスリープします。次のタスク・メッセージに対応するため、PCが起動している必要があります。詳細な動作はガイド↗を参照してください。

まとめ

invisible_dotsは、ユーザーのPC上でセルフホスト型のAIエージェント環境を構築できる、ユニークなツールです。クラウドサービスに依存せず、データプライバシーと継続的なファイル・ブラウザ状態の保持を重視する組織・個人向けに適しています。

導入のポイント:

  • Node.js、Go、ハードウェア仮想化の環境構築が必須
  • MIT ライセンスで無料、OpenRouter APIの推論料金のみ負担
  • アルファ版のため、本番運用前に十分なテストが推奨される
  • ローカルリソース消費を考慮した、マシンスペックの確認が重要

詳細は公式リポジトリ↗、ガイド↗、アーキテクチャドキュメント↗を参照してください。

公式資料

関連リンク・公式情報

ここで紹介したツールの一次情報(公式サイト・ソースコード)と、オープンソースラボ内の関連ページをまとめました。導入検討の際にご活用ください。

公式サイト・ソースコード(外部リンク)

オープンソースラボの関連ページ(内部リンク)

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